ちょっと危険な時事評論「スカ犬の遠吠え」を軸に、バンド活動を語る「スカッとロックバンド」、食とレストランを斬る「スカスカのごはん」と多彩な内容です。「スカ引きの人生」を送るアホ中年に幸あれ!
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 昼飯にパスタが食いたくなって、ややこじゃれた系のレストランに行った。土曜だったからかデートカップル客も数組いる店内、前菜代わりのサラダをつついていると、本格派のオヤジ(というかジジイに近い)がひとり来店した。近所の事務所から来たのか、ワイシャツ、ネクタイにグレーのじじむさいカーディガン&ぺったりなでつけた白髪、いかにも中小企業の嘱託管理職といった風体はどうにも場違いだが、良いではないか、ジジイがパスタ好きで何が悪いものか。俺は同志を得たようでほほえましく思ったよ。

 ところがこのオヤジが見た目以上のつわ者だった。きっかけは間違った皿が供されたこと。手を付ける前にウエイトレスが気付いて事無きを得たのだが、オヤジは「違うもん持って来られてもワシにはサッパリわからへんねんガハハ…」てな照れ隠しの独り言を言った。それに隣に座ったカップルの女の方が反応してクスっと笑う。オヤジは我が意を得たりとばかりに彼女に話しかけたのだのだよ。
 「なあ、そんなんわからんやんかなあ?お嬢さん」
 「え?えーぇ、そうですよねーぇ(クスクス)」
 相手したのが運のつき。以後そのカップルにふたりの会話は許されなかった。
「僕はこの店は初めてでしてな、今日から近くの病院に赴任してきたんですわ。いや院長やけどね。それまでは…」
 などという身の上話をひとくさりやっては、スパゲッティを箸で『ズズーッ』と天井まで音響かせてすすりながら、
「こんなもんよりお茶漬けの方が好きや、いやいや別に洋食を食べ馴れてないんと違いまっせ、帝国ホテルで会合がしょっちゅうありましてな、そのときはフランス料理のフルコース(いまどき『フルコース』なんて言うか?)ですわ。ひとっつも美味ないけどな、ぶはははは。」
 と自慢話。はては
「あんたらと会えてよかった、人生は出会いっちゅーのが僕の信念でやねえ…」
 とお決まりの訓話モード。さらには
「あんたらみたいな若い人… うん?そんな若くないですぅ?ほほう…(ズズーッ)若くみえるけどなあ彼女(モグモグ)、見たところ30…どのぐらいかな?どのくらい?」
 とねっとり視線でセクハラモード。内容もさることながらボリュームも徐々に上がり、店内中にどら声が響き渡る。他のグループ客も声を張り上げないと会話できず、まるで居酒屋の店内状態になってきた。
 土曜の午後のこじゃれたレストラン、俺も含めて同席した客が食らったのはイタリアンではなかった、日本のオヤジの佃煮をたっぷり味わったのだった。

 食後のコーヒーが供される。「あんまり時間がないんや、一番早いのをくれ」とオヤジ定番(笑)の注文をしたはずのそのオヤジは話をやめず、このあたりでさすがに引きはじめてプライベートモードに入ろうとしているカップルをさえぎる。
「いやあ、今日は君らみたいな若い人と楽しく食事ができてよかった、人生は出会いや。」
 などと語り続けるのであった。急いでたんちゃうんかい、オッサン。


※オマケ(解説ってやつdeスカ?)

 なまじ鷹揚で親切なカップルだったものだからオヤジは図に乗ったのであろう。だけどおそらくカップルはそこまで親しく会話するつもりなどなかったはずだと俺は思う。俺の想像だが、おそらく彼&彼女はこんなふうに考えたのだ。
(うっとーしいな、だけどこのオジサンをむげに扱ったら彼(or彼女)に冷たい嫌なやつだと思われるだろう。そんな人はウチの両親ともうまくいくわけない、ってなものよ。ここはひとつ心の広い優しい人物と思わせなきゃね。)
 だけど、おそらくは週末デートのスタート地点がこれでは、二人のテンション下がりまくりだと思うよ。そそくさと店を出て別のカフェか何かで仕切り直し、最悪の場合はそこでモメるね。

「だいたいお前がクスクス反応するから話しかけられるねんで。」
「なによそれ、あんたかて調子合わせて持ち上げとったやないの。『さすがにおっしゃることに重みがありますね』、くっさい臭い。」
「なにを!お前こそ若いとか言われてデレデレしやがったくせによー。声まで変わっとったやないかい。ジジイの気ぃ引くつもりか。そら院長やったら金持ちやしな、愛人にでもしてもろたらどないやねんケッ」
「なに言うの。あんたコンプレックスの塊やなあ。そんなふうに思いながらあんなにヘラヘラ調子合わすのん?やっぱり営業マンやなあ、根性悪いのに口うまいわ。あー騙された。あのオッサンの愛人する方がよっぽどましやわ。」
「ほなそうせいや!」
「あーそうさしてもらいますっ!」

 かくしてひと組みのカップルは終焉を迎え、彼女とオヤジに新たな局面が。なるほど確かに『人生は出会い』だ。
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こあい
ヤブちゃんはしょっちゅう酔っぱらいに話しかけれるけど、食べ物屋さんではそういう事ないなー。人一倍危険なオヤジを察知するのが早いので、やばそうなのが近くに来たら絶対に見えてない、聞こえてない、そーそー前にスカドッグさんがどこぞの若者にされたみたいにするんですよー。だってこあいんだもん。お愛想する人がいい人とは限らないしー。
【2006/04/04 Tue】 URL // yabu #- [ 編集 ]
悪貨は良貨を駆逐する
おっとやぶちゃんは前のブログを覚えていてくれたか。さすがにスカドッグファン(笑)、ご愛読ありがとうござる。
そうやねん。注文に悩む若者に「そんなに辛くないから大丈夫だよ」と常連アドバイスしたら礼はおろか存在を無視されて不愉快であった。そのときは『馬鹿者どもが!』と海原天保山モードに入ったのだが… こんな大迷惑オヤジを経験をすると考えてしまう。俺がそうでないかどうかはわからんわけだからなあ。酒一滴も飲んでないオッサンがこれやからなあ。
オッサンの敵はオッサンなり。
【2006/04/04 Tue】 URL // スカドッグ #Vbtw02aA [ 編集 ]

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謎(ウソ・バレバレ)の中年男。スカドッグの名のいわれはギター弾きならわかるよね。スカイドッグみたく天空までは昇れずスカッとコケます。

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